Happy わたしの子どもは幸せじゃないの!?

「日本人の英語を考える!」カテゴリー1本目の記事です。
このちょっとチャレンジングなカテゴリーでは、ここが変だよ、日本人の英語!的な視点で日々のエピソードでも紹介しようかと。

わたしがカナダで子育てを始めた頃まで戻ります。
うちの長男(8才)がまだまだ赤ん坊だった頃です。

彼は泣き声がすんごい大きかったんです。
ベビーカーで散歩中に昼寝して、ほっと一息コーヒーショップに足を踏み入れたとたんに大泣き、なんていうことがしょっちゅう。

そんな時、(なぜかだいたい白人の)おばあちゃんが寄ってきて

Oh〜, someone is not very happy.

なんて、気の毒そうな顔をしてベビーカーを覗き込みながら声をかけてくるんです。

英語暮らしも母親もどっちも新米(さらに育児でいっぱいいっぱい)であったわたしは

「なにー!わたしの子どもが幸せ(=Happy)じゃないっていうの〜!」

「それはわたしがダメな母親だってこと?ひど〜い!!」

なんて気分になり落ち込んだものです。

でも

Someone is not very happy.
っていうのは、どうやら

「あらあら、誰かさんはご機嫌ななめでしゅね〜」
なんていう日本語と同じ、泣いてる赤ちゃんに対するお決まりフレーズでした。

日本人であるわたしの頭の中には、
Happy = 幸せ
と刷り込まれていたので、

その後、頭でわかってからも、このフレーズには何度も何度もチクリと胸が痛みました。
(もー、本当にしょっちゅう言われました。)


でも今はこのHappyという単語をうれしい、ご機嫌、くらいの意味で使ってます。
こんな風に。

We are so happy to have you in our Neighborhood!
(あなたたちがご近所さんになってうれしい〜!)

He's happy with his new hair style.
(彼は新しい髪形が気に入ってる。)

She is such a happy baby.
(ほんっといつもご機嫌な赤ちゃんよねえ〜)

I'm happy for you.
(よかったね!)

Happyは、日常的に軽〜くよく使う単語なのでした。

なのに日本人が第一に叩き込まれている Happyの訳 = 幸福、幸福な、幸せ・・・ は、

Cinderella lived happily ever after.
(シンデレラは幸せに暮らしましたとさ。)

みたいに、どっちかっていうとレアな使用方法。

昨年春から日本の小学校で始まった外国語(英語)授業で導入された、あの「英語ノート」の解説本みたいなものをどこかで見かけたのですが、そこでも相変わらず Happy = 幸せ の訳を見つけてがっくり。

使えない英語を子どもに教えるの、いいかげんにやめようよ〜!
と、このときも思ったのでした。