親だから、子どもにとって一番の学習教材ソムリエになれるんです♪

長男の日本語は、カナダに暮らす日本人家庭の8才の子どもとして、なかなかレベルが高いと思います。まわりにいる同じ年くらいの日本人の子は、もうとっくに英語が第一言語に逆転していることが多いです。でも彼は昨年の夏に日本の小学校2年生を1ヶ月体験入学したときも、ちゃんと授業についていくことができました。ちなみに、カナダで日本語学校などには一度も行ったことがありません。

なんで彼の日本語がしっかりしているか、理由はいろいろありそうですが、何より日本語をきちんと文字で理解できていることが大きな助けになっていると思います。文字の理解は言葉の定着の土台となりますよね。文字を理解できないと、英語圏で暮らしている彼にとっての日本語力は「親と会話できるレベル」でとまってしまうんです。あまりボキャブラリーも増えないし、ある分野での独特の表現も身につきません。

日本語の文字には「ひらがな」「カタカナ」そして「漢字」まであるので、第二外国語として学んだら、それはそれは大変です。でも、ここバンクーバーに暮らしていると、日本語を多少なりとも読み書きできる人や子どもに出会います。その人たちの多くに共通するのが「日本のマンガが好き」ということ。日本のマンガって、やっぱりすごいですね。大人も楽しめるクオリティのものがたくさんあってこそ、このように語学を学ぶモチベーションすら引き出すことができると思うのです。

前の記事で、言語力に大きく頼らずに解決できる問題に英語で取り組むことは、失敗しない子どもの英語学習には欠かせない要素!というお話をしたのと同様です。絵がある程度の内容を理解を助けてくれるので、言葉がわからないことでつまずいたり、あきらめたりせず、取りあえずでも読み進めることができるんですよね。

長男の場合の日本語バイブルはこのマンガです!

サッカー小僧だったパパが、自分も大好きだった漫画として息子にBook-Offなんかで大人買いしたやつを少しずつあげてるんです。
今ではその数、30冊くらい。(もっとかな?とにかくベットの横にずらりと並んでいる。)

これが大当たりで、まだひらがながやっと読めるようになった3才すぎの頃から、毎日毎日読んでいるんです。最初は眺めているに近かったと思います。それが今では寝る前に1時間近く読んでいることが多いかな。それこそ、もう繰り返し繰り返し。好きなんですね〜。

確か彼が4才のとき。

わたしが日本語で何かを読んでいたら、その中に「三」という漢字がありました。
すると息子が

「ママ、この漢字ぼく読めるよ〜」

って言ってくるんです。

「へえ〜、すごいね。何て読むの?」

と聞いたら

「ぞう」

と自信たっぷりに答える彼。
そして、しばらく考えるわたし。

そして、気付きました。

天才ゴールキーパー 若林 源三(わかばやしげんぞう) !!!

大正解!

これサンっても読むんだよ。。。1,2,3のさんね。
大笑いしました。

とにかく、このキャプテン翼のおかげで、彼はいつのまにか日本語の文字を吸収していきました。それだけではありません。家庭の日常ではあまり遭遇しないボキャブラリーも、です。

よく彼が、キャプテン翼を読みながら、わたしに質問してきます。

「ママ、めんめん、ってなにー?」〜武蔵FCの面々

「ママ、ちしぶき、ってなにー?」〜若林くんゴールポストに激突〜!

ってな具合です。日常では教えられない言葉。特にちょっと昭和な漫画は、語彙も豊富で、ストーリーや文化背景にも深みがあっていいですよね。
まただからこそ、子どもも飽きずにはまるのだと思います。もちろん、彼がサッカー大好き少年であることが大前提のチョイス。パパと息子がいっしょに語れるところも、さらにさらに素敵なこと。なのでキャプテン翼は大ヒット。

少し前に、長男に日本語と英語、どっちがいいかと聞きました。

すると彼は言いました。

「英語の方がラク。」

さらに続けてこうも言いました。

「日本語の方が、わかる。」

わたしはこれを聞いて、とてもうれしかったんです。英語は彼にとって、友だちや学校などの日常の楽しさと通じる遊ぶための言葉なのです。だから「ラク(楽)」。そして、日本語は思考すること、理解することに通じていて、そちらのボキャブラリーの方が今のところ多いわけです。8才の現時点で、とっても素敵なバランスだと思っています。これまで彼の良き友だちでいてくれた翼くんに、お礼を言いたい気分です。

長男にとってのキャプテン翼が、5才の次男にとって何なのか、実は今まだいまいち見つけられないでいます。今のところ彼はドラえもんが好きなのだけど、ドラえもんのマンガは意外と古い日本語が使われていることに気がつきました。アニメはそうでもないんですけど、マンガでは「諸君!〜してくれたまえ。」のような、昭和というか戦後っぽい表現がわりと出てくるんです。漢字の読み仮名も少ないし、碁盤の目のようなコマ割りで絵で表現していることが比較的少なく、話の展開も早くてストーリーを追うのが子どもには意外と難しい・・・。そもそも弟の彼はお兄ちゃんと言葉の吸収の仕方が違うようです。同じアプローチでは文字を学んでくれそうにありません。すんなりいかず、試行錯誤が続く次男の言語学習については、今後たくさんたくさん語らせてもらいますね。

今日の提案:
親は子どもにとって一番の学習教材ソムリエになりましょう!

親だからこそ、子どもが遊びや楽しみの延長で学んでいける教材を、ベストなタイミングで与えて上げられると思うのです。それを見つけてあげるのは、親ができる大きな大きなプレゼント!英語学習においても同じであることは、言うまでもありませんね。流行りや既存の教材に目を向ける前に、まずは自分の子どもの興味を一番引き出せる遊びや楽しみがないか、探してみてはどうでしょう?

ではでは。