3〜4才児のための厳選サバイバル英会話

前回の記事で、長男が4才になる頃にプリスクールに行き始めて英語社会デビューを果たしたときに、どれだけ少ない英語経験量であったか、を書きました。

なので念のため書いておくと、当時の彼は英語を話せませんでした。ぜーんぜん♪

彼の世界のほとんどが、家庭という日本語オンリー環境でしたし、次男の誕生時期と重なってあまり多くはなかったですが、たまに外に出ていっしょに遊ぶ子どももわたしの友だちの子ども=日本語を話す子ども、ばかりだったんです。

(ここでちょっと注釈しておくと、わたしはある考えがあって、敢えて彼に日本語の環境を積極的につくるようにしていました。その理由は、またいずれお話します。)

しいて言うと、なんですけど

どこかでお菓子をもらったときにわたしが、「ほら、サンキューって言ってごらん。」と言うと、か細い声で Thank you. と言うくらい。あとは近所の人に声を掛けられて、微妙な笑顔のまま手を振り替えしたりとか。自分の名前を聞かれても答えられず、これは英語を話すってレベルではないですよね。ちなみに4才になる子どもとして、日本語はとてもよく理解していました。ひらがなの絵本を自分で読めるくらいでした。でも、性格的にもシャイというか、外の社会で多くを話す子どもではなかったです。

そんな彼がプリスクールに通い始めるにあたり、わたしは一つの単語を彼に教えました。

Pee

おしっこ、です。
「おしっこ行きたくなったら、先生にPEEって言うんだよ」と教えました。
これさえ自分で言えたら後は何とかなる!と思っていました。

で、実際に大丈夫だったんですよ。一度も泣いたり嫌がったりすることもなく、毎回楽しく通っていました。お友だちもたくさん、何よりおもちゃがたくさんの場所に行くのが嬉しかったみたいです。

そして週2回、午前中2時間半だけプリスクールに約10ヶ月通って、彼が英語を話せるようになったかと言えば?

はい。ちっともなりませんでした。

いくつかのフレーズを覚えてはきましたけど、会話というレベルとはほど遠いです。
ちなみに他のネイティブ4才児は、しっかり文章にして自分の言いたいあれこれを、例えば

"Ms.Wiliams, Kevin took my toy!!"
"No, YOU took it, I used it first!!"
"No, it's mine! it's my turn!!"
"No, it's not!" "Yes, it is!" "No, it's not!!" "Yes, it is!!"....

くらいに立派にしゃべって会話しています。笑

でも相変わらず英語をしゃべらない4才の長男。
やっぱり週2回(計5時間)のプリスクールくらいでは、英語は身につかないのでしょうか?

そんなことはありません。
プリスクールに通って彼の英語レベルは大きく飛躍しています。

★長男4才がプリスクールに通って出来るようになったこと。

1.英語を聞いて、反応する
プリスクールで先生が英語で言うことを、きちんとすることができました。おそらく始めは周りのお友だちの見よう見まねだったと思います。でもそれは「Everyone! Please go wash your hands」「みんな、手を洗おうね〜。」という意味だということを、繰り返し聞いているうちに、自分でわかるようになるということです。
クラスはパターン化された大体の流れがあるものです。彼が先生が言ったことに対して次に何をすれば良いかを自分で判断できるまで、時間はかかりませんでした。

2.聴こえてくる英語を真似る
これは主に、お歌の時間です。歌の意味はちっともわからなくても、楽しくお遊戯も交えて、英語の音を学び、発声することを学んでいます。
クリスマスの前には保護者も招かれて、歌の発表会もありました。RUDOLPH THE RED NOSED REINDEER(赤鼻のトナカイ)、ジングルベル、げんきに上手に歌っていましたよ〜。しゃべれなくたって、歌うことは出来るんです♪英語の発声や語感のようなものを楽しく学べる、子どもにとって大事な時間ですね。

3.英語環境でお友だちと交わる
ここでの彼がどんな様子だったのか、あまり見る機会がなかったのでわからないことがあります。
でも、それでいいんですよね。保護者のいない子ども同士の世界でこそ、学べることがあると思うんです。

少なくとも彼はここで、こんなフレーズを学んできたようです。


No! No!!(だめ!ヤダ!!)
Mine!(ボクのだよ!)
My turn! (ボクの番だよ!)
Not fair!(ずるいよ!)
Stop it! (やめて!)
Me, too!(ボクも〜♪)

・・・母、苦笑。プリスクーラーのための厳選サバイバル英会話
記念すべき、彼が自ら学び自ら発する英語です。
よいのです、これで。

その他に、彼がプリスクールに通って使えるようになった英語フレーズはこんな感じです。

Hi! / Hello / Bye! / See you! / Thank you

などの挨拶系。(どちらかと言うと、大人に促されて言う)

Thirsty / Hungry / I want go pee.

などの、本能系。(必要に迫られ言う)

あとは先生が聞くことがわかった場合だけYes Noで答える。これで充分にプリスクールでやっていけます。

この週2回×2時間半×10ヶ月という、約200時間の英語環境に身を置いても英語を話せるようにはならない、と結論付けるのは間違っています。

たったの200時間で、たとえ彼がまだ英語で会話ができないとしても、間違いなく彼はネイティブの子どもたちが英語で学ぶプロセスを大きく前進した、と考えるべきです。

見落としてはならないのは、このプリスクールに通う時間の中で、子どもが英語で会話をするために、本来はその前にやらなきゃならないこと

  • 英語の音に慣れる
  • 英語の発声を学ぶ
  • 聴こえてくる言葉の意味を知る

という機会があったと言うことです。そして、それが英語環境の社会であったことによって、子どもの口から自然と英語が出てきたのです。そして、彼はネイティブ2才くらいの英語力に追いつきました。

上記に出てくる息子が自分で覚えてきたサバイバル英会話フレーズをもう一度見てください。
母国語であれば全部、2才くらいの子どもが言ってることばかりですよね!

子どもが、話すための英語を学ぶため、自然に英語を発するため、そのためにあるべきプロセスとアプローチを考えるにあたって、気付かされる点がとても多い出来事だと思っています。

ではでは。