共通語として英語を学ぶなら外せないキーワード 「ダイバーシティ」

いよいよ、長男が(ろくに英語もしゃべれないまま)キンダーガーテンに入学します。

キンダーガーテンは5才になる子どもたちがエレメンタリー(小学校)に上がる前の一年を過ごす場所です。通常、学区の小学校と同じ敷地内にあります。当時、わたしたちはバンクーバーのダウンタウンに住んでいました。ファミリーの数が決して多くはない代わりに、比較的若いファミリーや、わたしたちのようにカナダに来て間もない移民ファミリーが多く住んでいました。

長男にとってキンダー入学までの生活は、週2回たった2時間半のプリスクールに10ヶ月通っただけでした。それに比べ、キンダーは小学生たちと同じ、月曜日から金曜日まで毎日9時から3時までのフルデイとなります。まだ時々お昼寝すらしていた長男、しかも英語でのコミュニケーションはほとんどせず、いつも母親が近くにいる生活ばかりだったので、しばらくは本人も苦労が多いのでは、とさすがに心配していました。

結果はこちら。
入学1ヵ月後の写真です。じゃん♪(うちの子、真ん中です)

毎日楽しくて仕方がなかったみたいです!!
英語で困ることもなかったようです。

それはなぜか?

写真をもう一度見てください。
みなさんが持っているカナダの子どもたちのイメージと比べてどうですか?

多様な人種の子どもが集まっていると思いませんか?

20人ほどのクラスの中で、英語が第一言語だった子どもは半分に満たなかったと思います。メキシコ、韓国、ベトナム、中国、ロシア、中東、ヨーロッパの国々、アフリカの国・・・みんな、どこか他の国から来た親を持つ子どもたちでした。家に帰れば、それぞれの国の言葉で家族と会話をしているわけです。うちの子どもたちのように。

だから、英語をまだ上手に話せない子どもだらけだったんです。

普通の公立学校で、普通のクラスなんですよ。わたしたちが住んでいた場所が特に人種の多様性=ダイバーシティに富んだエリアでもありましたが、さすが移民国カナダです。国としての歴史は浅いので、それぞれの人種がルーツとしている文化も色濃く残っています。大人から見ると、異文化を学ぶ貴重な場、他人との違いを知ることで自分のアイデンティティを学ぶ・・・なんて意味づけをしたくもなります。

でも、そんなこと子どもには関係ないわけですよね。
楽しく遊べるクラスメイトがそこにいて、気の合う子がいたりいなかったり。
言葉で伝えられることがあったりなかったり、たいてい言葉は必要なかったり。
それだけなんです。

彼らにとっては、これが普通、スタンダードとして英語社会での生活が始まったんです。
わたしはここに、これからやってくるべき英語社会を感じました。

ほとんどの人が第二外国語として、ただ単にそれが共通語であると言う理由で英語を話すこと。
個々には違う文化背景を持っているということ。

日本でダイバーシティという言葉はどれだけ浸透しているでしょうか?耳慣れないかもしれないですね。実際わたしもカナダへ来て英語で初めて聞いた言葉です。髪や肌の色、みんな違う子どもたちが一緒に学校のグラウンドを走り回っていた姿は「この世の楽園だなあ。」なんて感動してしまいます。この子どもたちの将来では、もっともっとたくさんの人が共通語としての英語を話すことになると思います。その時の社会の姿が、これに少しでも近いものであればいいなと心から思いました。

今回はずいぶんと観念的な話になってしまいました。
でも、ダイバーシティと向き合うことも、これからの英語学習のキーワードにもなっていくと考えています。

最後に、長男がキンダーにいるときに腰痛で長期休養してたおばあちゃん担任(笑)に代わって来てくれた若い男の先生が子どもたちに教えてくれた"We All Sing With the Same Voice"という素敵な歌を紹介します。

みんな違う、それでオッケー!でもちゃんと通じ合うっていうよ、っていうメッセージソングです。
ぜひたくさんの人に知ってほしいので、英語教室の先生などお知り合いにいたら紹介してください。

この歌をあのクラスの子どもたちが歌っていたわけで、なんとも晴れやかで感動的でした!
この歌を、世界中の子どもたちが歌えたらなあ、と本当に思います。
ずいぶん昔にセサミストリートで流れていた曲のようです。

歌詞はこんな。日本に住む子どもたちにはピンと来にくいかな。
でもホントに知ってほしい〜。メロディーもとてもいいです。

"We All Sing With the Same Voice"

My hair is black and red
My hair is yellow
My eyes are brown and green and blue

My name is Jack and Fred
My name's Amanda Sue
I'm called Kareem Abdul
My name is you

I live in southern France
I'm from a Texas ranch
I come from Mecca and Peru
I live across the street
In the mountains, on a beach
I come from everywhere
And my name is you

We all sing with the same voice
The same song, the same voice
We all sing with the same voice
And we sing in harmony

Sometimes I get mad and mean
Sometimes I feel happy
And when I want to cry, I do

When I'm by myself at night
I hold my teddy tight
Until the morning light
My name is you

I have sisters one, two, three
In my family there's just me
I've got one daddy
I've got two

Grandpa helps me cross the street
My cat walks on furry feet
I love my parakeet
My name is you

We all sing with the same voice
The same song, the same voice
We all sing with the same voice
And we sing in harmony

I like to run and climb
I like to sit and read
I like to watch my TV, too

And when it's time for bed
I like my stories read
"Sweet dreams" and "Love you" said
My name is you

We all sing with the same voice
The same song, the same voice
We all sing with the same voice
And we sing in harmony