ここからスタート。海外在住日本人の「一人一人ができること」見つけました。

あの震災から一年がたちました。
今日はいつもの子ども英語ネタをお休みして、海外に住む日本人のみなさんに、わたし個人からお伝えしたいことをここに書かせてもらうことにしました。

この一年、他の多くの人と同じように、自分に何ができるかを考えてきました。日本から遠く離れて暮らしている日本人として何ができるかを考えてきました。

それは、被災地を中心に今もなお助けを必要としている人の多さ、被害の大きさ、復興への道のりを知れば知るほど唖然とし、個人ができることの小ささに愕然とすることの繰り返しでした。

どんなに個人が力を合わせたところで、手の届かない域で進行する、自然界の掟や政界やらの掟が圧倒的に存在します。自分にできる意味のあることなんて何もないじゃないかと、こんな遠くで吠えていてもどこにも届かないじゃないかと、そんな思いにかられることがありました。

被災地ではまだまだ「普段」とはかけ離れた毎日を送っている人たちがいるのに、わかったことを言うのはとんでもなく失礼 なことじゃないかと、自分に何ができるのかを考えるたび、結局は虚しいような気分にもなりました。

それでも、インターネットを通じてあの日から絶え間なく、ニュースとして、想いのつまったブログ記事として、祈りのようなツイートとし て、次々と日本から遠く離れたわたしたちのところへ海を越えてやってきました。

誰かに伝えるために切り取られた日本の姿は、どれも胸に突き刺さるほどに強く強く訴えてきます。震災後の大変な日本にも、変わらない日常の風景がたくさんあると思いますが、それを垣間見ることのなく、ただ矢継ぎ早にネットからの情報だけを受け止めてきた海外に住むわたしたちには、日本中が蝕まれて、どうにもならないように思えてしまう時があるのです。とても苦しいことでした。

そんな震災後の一年で、わたしの中に罪悪感のような、焦燥感のような気持ちが生まれてきました。

その焦燥感は、自分の大切な家族や友人が、日本にたくさんいるから感じるのだと思います。その罪悪感は、自分と、自分の子どもたちが、放射能の心配や、またやってくるかもしれない大きな地震への不安のない日常にいるために生まれたのだと思います。そして何より、自分の生活は今ここにあっ て、何もできない、何もできていないことからの罪悪感だと思います。

震災直後にはやっていた募金活動のサポートも、今ではしなくなりました。これでいいと思っているわけではないんです。本当に。だけど・・・。この一年、わたしはずっとずっとそんな思いを繰り返してきました。

海外に暮らす日本人のみなさんは、きっとその多くの方が同じような思いを抱えているのではないでしょうか。もしそうだとしたら、どうぞこのまま最後まで読み進めてください。きっとそんな人に、とっても共感してもらえるはずなんです。



そんなわたしが「できることってなんだろう?」という問いを繰り返すうちに、わたしはやっと一つの答えにたどり着きました。

「社会を、自分のとりまく環境を、自分の国を想うとき、個人が取るべき一番最初の行動、それは選挙に行くことなんだ」いうことです。何よりもまず、ここがスタートなんだという答えを見つけたんです。

突拍子もないことに聞こえますか?ちょっと面倒くさそうな話に聞こえますか?ですよね。一年前のわたしなら、やっぱり同じように思いました。でも、お願いです。もうちょっと聞いてください。

選挙に行く。海外に住む日本人にとってのそれは、「在外選挙登録をして、投票をすること」です。それが、海外に住む日本人の一人一人ができることであり、とても大切だと今さらながら気が付いたのです。

正直に言います。わたしは、日本人として選挙権を得てからこれまでの20年間、一度も選挙に行ったことがありません。投票をしたことがありません。理由は漠然としていて、政治はよく理解できず、支持をしたい政治家と出会うことはなく、選挙制度そのものが社会を良くするために機能しているとは思えず、そして何より投票に行くことは煩わしかったからです。その上、自分が持つ一票に意味があると、とても思うことができませんでした。

12年前にカナダに来てからは、さらに選挙は縁遠いものになっていました。海外に居ながらにして投票ができる、在外選挙登録の存在は知っていましたが、そのパンフレットにある面倒そうに見える手続きをちょっと眺めるだけで、関心を示すことはありませんでした。

そんなわたしが一年前、未曾有の大災害、原発事故と言う個人の力が全く及ばない脅威が日本を襲い、その怖さを痛感して初めて、社会、国という「公の力」に助けを期待しました。このような悲しい出来事から、日本にいる大切な家族や友人を守って欲しい、被災地で家族や生活を失って苦しむ多くの人たちが少しでも癒されて欲 しい、もうこんなことが起こらないで欲しいと、政治や社会の仕組みに期待し、願ったのです。このままではいけないと、「変化」を願ったのです。

震災直後に行われた選挙で、わたしは初めてその結果に注目しました。すると、名の知れた年配の政治家が優位に当選しました。政治がわかっていないわたしでも、これでは「変化」は生まれな いと感じ、がっかりしました。

その時、その選挙結果が有権者の日本人の思いを、本当の意味で反映していないということに気付かされました。

統計を見てわかったのですが、選挙で投票所に足を運ぶ人たちは、圧倒的に50代〜70代の層だったんです。なので、選挙結果は当然のごとく、それ らの年齢層が選んだ政治家が優位に当選をしたわけです。有権者全体の思いが反映されているとは、とてもいえない状況です。

この50代〜70代の層がどのようにして投票すべき政治家を選ぶか考えてみてください。マスメディア、選挙制度の規制に縛られた期間限定の街頭ス ピーチ、地縁、縁故で結びついた後援会などの存在が大きく影響していることが、簡単に想像できます。すべては、これまで通りの情報収集と選択のプ ロセスです。そこにわたしは大きな問題を感じました。

もし、20〜40代の声が投票結果という形で反映されたら、選挙の結果は同じになるでしょうか?

シニア層とわたしたち世代の情報収集と選択決定の方法には、一般的に言って大きな隔たりがあります。わたしたちは今、インターネットというツール を使って、より加工されていない一次的な情報を、発信者から直接受け取ることができるようになりました。また、同じ場所にいながらにして複数の情報を得て、それらを比較し選択する方法を学んできています。

既存の価値観を調整しながらの変化は、今求められるような変化とは違うと思います。ですがもし、各年齢層の声がバランスよく投票結果に反映されたら・・・?これまで若い世代の声が小さかっただけに、何かが変わる可能性を大いに感じてしまいます。

本当に変化を起こそうと、孤軍奮闘して活動している政治家さんもいますよね。その人たちの声は、今までの社会では簡単にかき消されてしまったかもしれません。でも今は、わたしたちが耳を傾けようとしさえすれば、いくらでもその声を聞くことができます。それがインターネット社会の良いところです。もはや、既存メディアを自在に操れる人ばかりが政治的な力を得る時代ではないってことです。

なのに、ネット社会の恩恵をたくさん受けている20〜40代の層が、わたしがその典型的であったように、選挙や政治に何となく期待、関心が持てないのです。本来は、自分の、自分の子どもの将来をより良くしたいと誰よりも強く願う人たちの層であるはずです。変化を求め、変化を作る人たちであるはずです。その人たちが選挙に、政治に目を向けないことは、自分や自分の子どもの将来から目を背けることで、これこそ今の日本が抱えている大きな大きな問題なのだと思いました。心からの反省と自戒を込めて。

さてやっと、ここからが本題です。

一方の海外に住む日本人のわたしたちの選挙参加状況はどうでしょう?外務省がオンラインで発表している最新(2010年10月時点)の海外在留邦人総数は、1,143,357人でした。そのうち85万人ほどが有権者だとして(そのような記事を見つけたのですが、正確な数字を把握中です。ちなみにこの数字は、日本の小さめの県の総有権者数にも匹敵します。)そして、総務省が発表していた同時期の在外選挙登録者数は、同時期で108,269人、計算してみたら約12%でした。ここから投票率を計算すると、数パーセントにまで落ち込むようです。

なぜそんなに数字が低いか考えてみました。2000年から始まった制度であること、2005年までは投票が比例代表制選挙だけに限られていたことも、在外選挙制度の認知率の低さや関心の低さを招いているかもしれません。ですが、参加するために何かにつけてハードルが高いのが、そもそも問題なのだと思います。

事前に在外選挙登録が必要であり、しかも登録完了までに数ヶ月かかること、自分が住む場所と海外日本領事館からの距離があること、そもそも日常が日本にないのでわざわざ投票に行くほど日本の政治に関心が持てないこと、などがあげられると思います。日本で選挙に行かない人が多い理由「政治、選挙に関心が持てない」「自分の1票の意味を感じられない」「面倒である」などということが、海外では他の面でのハードルの高さも手伝って、さらに選挙離れを増長しているのだろうと思います。

でもこれは、みんなやっていないことを自分もやっていないだけ、というような風潮であって、これでいいと思っている人など、本当はいないと思います。日本においても、海外においても同じことです。誰もが自分が生まれた国である日本と、そこに住む人たちのことを深く思っているのですから、このままで良いはずがないんです。

だからわたしは考えました。そして、とってもいいことを思いつきました♪

海外在住の日本人みなさん、在外選挙登録をして、日本を思う気持ちを行動で表しませんか。今はわずかな登録者数を、これから2倍、3倍にも、50%を超えるようにしていきませんか。そんなムーブメントを世界各地で広げていきませんか。

もしそれが本当のことになったなら、その事実はきっと「わたしたちが日本のことを大切に思っています」という大きなメッセージとして、日本に届けることができると思うのです。日本にいる人たちが感じている選挙へ行くことへのハードルより、もっともっとずっと高いハードルをわたしたちが先に越えて行くことで、「この次の選挙には、国内に住む日本人も、海外に住む日本人も、みんなで選挙に行こう!」という力強く、わかりやすいメッセージを伝えることができると思うのです。

海外にいる日本人が、日本の外から日本の人たちに向けてメッセージを発信することにも、とても大きな意味を感じます。きっと多くの人が賛同してくれると思っています。そもそも選挙って、「せーの!!」ってみんなで声をあげることですよね。他のみんなも「せーの!」でやるよ、っていう雰囲気さえあれば、きっともっと多くの人が選挙にワクワク期待を持ちながら行けると思うんです。だから、わたしはその「せーの!」の輪を作ることを海外から始めてみることにします。

わたしはただの個人です。カナダのバンクーバーに住んでいます。2人の男の子のお母さんです。日本には両親、兄、その家族、親類がいます。大好きで、会いたい友だちがたくさんいます。親友には子どもがいて、わたしの子どもと仲良しです。日 本が大好きです。ときどき帰ることがあり、それを楽しみにしています。

そんなわたしです。(*^^*)

幸いなことに、インターネットとの付き合いが長く、ウェブマーケティングらしきものを長く仕事としてやってきました。今もまわりにはネット活用に長けた友人、知人がたくさんいます。家族はわたしを応援してくれます。わたしのダンナさんは、わたしの「在外選挙登録をしよう。」という声に、真っ先に応えて領事館へ登録をしに行ってくれた第一号です。本当にありがとう。

だから、やっぱりわたしがやらなくちゃ!と思いました。そう気付いたからには、やってみようと思います。一人でも多くの海外に住む日本人の人へ共感を持ってもらい、日本へ届けたい大きなメッセージを生み出すだめの場所と仕組みを、作ってみようと思います。1人ではできませんが、周りの人の協力を得て、きっと実現します。もうすぐ4月、日本で新しいことが始まる季節です。それに向けて準備してみます。

まずはここバンクーバーから、後から後から仲間に入りたくなるような、楽しいお祭りみたいなムーブメントをスタートさせたいです。そして例えば、オーストラリアにいるわたしの学生時代の友人が、中国にいる昔の同僚が、アメリカにいる親類とそのお友だちが、「お、こっちでもやるか!」と言って仲間を誘ってやってくれる、そんなイメージを描きながら、アイディアを考えています。みんな日本が好きで、みんな自分ができることをしたいと思っていて、そして嬉しくて楽しいから広がる、そんなプロジェクトをここバンクーバーからやってみます。

そして数年のうちには、海外在留邦人のみんなでつながることが出来れば最高です。わたしたちには、 日本から遠く離れているからこそ持っている日本に対しての強い思いがあります。「故郷は遠きにありて思ふもの」ですね。

これから先も、日本が何か大変なときには、いっしょに手をつないで助けられるような、大きな頼れる助っ人集団になりましょう!まずは在外選挙登録から始めるんです。プロジェクトの名前、どうしようかな。まだ考え中なんです。邦人ユナイテッド?なんだろ、んー。

今日はまず、わたしの初心表明というか、なんというか、思っていること全部書いてすご〜く長くなってしまいました。でも、つまり「もうすぐ始まるよ!」の予告です。なので、海外在住の日本人のみなさん、共感していただけるみなさん、ぜひこれからのアップデート情報をフォローしてください。

Twitter: shinobu2go
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最後に、「今、今、今すぐできること」のお願いです。

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ものすごーくドキドキ緊張しています。かなりビビリってます・・・。よかったら、どこでもいいのでコメントなどください。泣いて喜ぶかも〜。

ここから始めます。どうぞよろしくお願いします。


Shinobu
カナダ/ノースバンクーバーの自宅@食卓
2012年3月11日


★このプロジェクトの立ち上げを一緒にやりませんか。
すでに何人かの方に相談させてもらっています。近日その辺の居酒屋でざっくばらんな決起集会やりましょう。いろいろ企画をまとめているところですが、まだまだたくさんのアイディアが必要です。あとはどうしても、アートディレクターとSNSウェブプランナーが必要です。志ある楽しい若者、キミです、キミ、キミ!!ぜひご連絡を♪