カナダで5才児が学ぶ、日本人が意外と知らない英語学習の基盤となる3つのこと

さて話は長男(現在8才)がキンダガーテンに入った頃までやってきました。年齢で言うと5才で、ちょうど今の次男と同じです。

キンダーガーテンは翌年のエレメンタリー(小学校)で始まるお勉強の準備期間。学校という社会集団に馴染みながら、学習を続けていくための基盤づくりをしていく場です。なので日本の幼稚園とおそらくは同じ感じで、体を動かしたり、絵を描いたり、歌を歌ったりなどが中心の学校生活です。

いわゆる机に座っての勉強はしません。ですが、長男のときも、次男のときも共通して、このキンダーの時期にきっちりと学んでくることがありました。

それは、Phonics--Rhyme--Syllable の3つです。

いずれも英語の語感に関わるものです。子どもの英語学習について熱心な方であれば、話すための英語学習が重視される流れの中で、最近これらがトピックとなることが増えていると感じていらっしゃるかもしれないですね。

Phonics(フォニックス):アルファベット一つ一つ、またはその組み合わせが持つ音のルール
ABCDを発音ルールPhonicsで読むと、ェア、ブ、ク、ドゥッのようになります。このように、文字が持っている音とそのルールのことをいいます。解説サイト

Rhyme(ライム):「韻をふむ」の韻
例えば、Star rhymes with Car. StarとCarの語尾にある音が韻をふんでいます。
あと、英語でキラキラ星を歌える人は歌ってみてください。
この詞も韻をふんでいることがわかります。

Syllable(シラブル):音節
わかりやすい例として、Canadaという単語であれば、3 syllablesです。母音が3つ含まれているということです。ですが、例えばHatが1 syllables、Telephoneが3 syllablesと聞くと日本人は困惑するかもしれません。逆を言えば、これを感覚で理解できると英語の語感にぐっと磨きがかかるチャンスが潜んでいます。

これらの3つを、キンダガーテン、続いてGrade1の頃にたくさん学んできます。英語圏の子どもたちにとっての、いわゆる「国語」の授業の第一歩です。学ぶと言っても、文字からではなく耳から学ぶことばかりです。だからこそ、耳が柔軟に音をキャッチできるこの時期にやる意味もあるのでしょうね。それから、このような語感を身につけるには、歌や詩の朗読を教材として使い、言葉の持つリズムをとらえながら、歌ったり手を叩いたり、身体を動かすのが一番の習得方法のようです。となれば、このような学習方法を自然と楽しめるのは、やはり10才を超えた子どもよりも、低年齢の子どもに適当だと思います。(楽しむって、身に付く学習の欠かせない要素ですものね!)

Rhyme、Syllableについてはいずれまた。今回は、この3つの中でもとりわけ大切、というかわたしが一番日本の子どもたちが学ぶことをおすすめしたいPhonicsについて、もう少しお話しますね。

この英語圏にいる子どもたちが、5〜6才辺りにPhonicsを徹底的に学んでいるのです。日本の子どもがまずはひらがな、カタカナをしっかり覚えなくては国語の授業が始まらないように、英語圏の子どもはABCと同時にこのPhonicsを学んでいるのです。話すための英語を学びたいのであれば、日本の子どもたちがPhonicsを学なくて良い理由もありません。こちらでキンダーの子どもがやっていることです。ルールは限られているので、難しいことではありません。

日本の子どもたちが多くの単語を記憶力に頼って学んでいる一方で、このPhonicsルールを知っている英語圏の子どもたちは、知らない単語に遭遇してもほぼ正しく読むことができ、耳で聞いた単語を聞いた通りにスペルすることができます

もちろん、単語のつづりには例外があるので、聞いた通りにスペルしても正しくない場合もあり、それらに関しては暗記の形で憶える必要があります。でもそれは一部です。ひとつひとつの単語のスペルを苦労して丸覚えする必要がなくなるので、Phonicsは語彙力アップの近道でもあるわけですね。

Phonicsのイメージをつかんでもらえるよう、子ども向けのビデオを探してみました。ネットで検索するとたくさん出てきますが、アルファベット一文字ずつの音を学ぶための歌の中から、シンプルでスローテンポなものを選んでみました。

日本人の発音、リスニングの弱さも、Phonicsを学ぶことで大きく改善できることを多くの方が指摘しています。大人の英語学習者もそうですよ。最近ではPhonicsに注力した英会話レッスンも登場しているようです。探してみてはいかがでしょう?

Phonicsに関しては、言いたいことがたくさんあるのでまたまた続きます〜。
ではでは。